気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Sludj Games開発、PC向けに5月11日正式リリースされたヘンテコサバイバル『Wrongworld』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、ヘンテコな世界を生き抜くサバイバルアドベンチャー。ニンテンドウ64世代を思い出させる、ローポリゴンでカラフルなグラフィックを採用。様々なヘンな生物の住む世界を生き抜き、脱出を目指します。サバイバルゲームという最近流行りのジャンルでありながら、カジュアルさとヘンテコなユニークさを特徴としています。
『Wrongworld』は1,520円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Jamie Coles氏(以下Coles氏):こんにちは!私はJamie Colesと言い、ローポリゴンでシュールな世界観で変な生き物の住む、ヘンテコなサバイバルゲーム『Wrongworld』の開発者です。私は人々を楽しませるものを作ることに情熱を燃やしている、紅茶好きのイギリス男児です。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Coles氏:ジョイスティックを握れるようになって以来、私のゲームへの情熱が途絶えることはありませんでした。1980年代中頃、おそらくイギリスだけでしかリリースされなかった素晴らしい8ビットコンピュータ、ZX Spectrumに触れた時から全てが始まったのではないかと思います。ゲームはカセットテープで発売され、読み込みは永遠に終わらないように感じるだけでなく、クラッシュばかりしてました。それでも(遊ぶ)価値があったのです。そうやって育ちましたので、自分のキャリアがゲーム業界になるのは自然なことでした。
夢を実現させるため、私はイングランドの北にある大学に入学しました。ゲーム開発の全てを学ぼうとしましたが、2~3ヶ月後、退学してしまいました。そのコースの進行が遅く、内容もはっきりしていなかったことも理由の一つですが、私がまだ若く面倒くさがりで、朝起きるのが苦手だったというのも理由です!
フォーマルな教育を受けることは断念しましたが、ゲーム開発を学ぶ姿勢は変わりませんでした。私はとにかくその分野の本をひたすら読み、自ら学び始めました。しかし、ゲーム業界とは異なるビジネスチャンスが舞い降りて来た際、その理にかなったと言いますか、それほどワクワクしないものに集中するため、(ゲーム開発は)全て後回しになってしまいました。
それから10年ほど経った時、私は自分の「情熱」に戻る覚悟を決めました。しばらくUnityをいじっていたものの(様々な食べ物を食べて特殊なゲロを吐く生物の2Dパズルアクションを作っていました)、自分自身の能力の無さと、開発から長い間離れていたことで、イライラしていました。それから数ヶ月後、活気を取り戻した私は、またゲーム開発の勉強を再開することとしました。そして今回はUnreal Engineを試してみようと思い、すぐにハマってしまったのです。
2016年初旬、いくつかのプロトタイプを開発し始めました。当時、私は『Don’t Starve』をたくさんプレイしていまして(素晴らしいゲームです。もしプレイしたことがなければ、今すぐにプレイしてみることをオススメします!)、私の作ったプロトタイプはこの作品にかなり影響を受けました。しかし、私は3D作品を作りたかったのです。ゆっくり、しかし着実に、サバイバルゲームが姿を現しました。そうして『Wrongworld』は生まれたのです。
――本作の特徴を教えてください。
Coles氏:私が把握している限り、『Wrongworld』のようなゲームは他にありません。空腹度、採取、クラフト要素など、サバイバルゲームでは標準となるものはいくつか入っていますが、雰囲気、スタイル、ユーモア、そして全体的にヘンテコな部分は、ほかの典型的なサバイバルゲームの逆を行くものではないでしょうか。私は常に任天堂の考え方に同意しており、一番大事な要素は楽しくシンプルであることだと思っています。面白そうなことや、予想できないようなこと、そしてヘンテコなことで誰かを笑顔にできそうなことが思いつくと、私の「やることリスト」に追加します。そして結果的に本作に導入されるでしょう!
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Coles氏:上で述べたように、『Don't Starve』の影響は、少なくとも開発当初大きかったですね。時間が経つことで大きくその姿は変わりましたが、それでも本作の根本的な部分でその影響を感じられるのではないでしょうか。そして世界のどこかに、見つけられるのを待っている動く宝箱があります。これは『Don't Starve』で愛されているチェスターから影響を受けています。
そのほかのインスピレーションの源ですと、私はニンテンドウ64世代のグラフィック(任天堂とレア社によって完成された)の大ファンでして、その明るくカラフルで美しいほどのシンプルさは、写実的なものよりも私を惹きつけます。勘違いしないでいただきたいのですが、もちろん凄まじい勢いで進化する素晴らしいグラフィックを見るのは大好きです。ただ、特に何かを感じることはないのです(テクノロジーの力への畏怖以外は)。キャラクター達から温かみは感じませんし、それ自体は楽しさを生み出していないように思うのです。少なくとも、私はそう感じます。ただ、もちろんゲームによるとも思います。マリオのようなグラフィックの『ウィッチャー3 ワイルドハント』はおかしいでしょうし、雰囲気を完全にぶち壊してしまうでしょう。と、今言ってみたものの、結構面白そうですね…ちょっとやってみたいです!
映画でいえば、いくつか要素が取り入れられているものがあります。『猿の惑星』、『エイリアン2』、『スター・ウォーズ』、ほかにも今思い出せないものがいくつかあるでしょう。
――本作の日本語対応予定はありますか?
Coles氏:はい、他の言語にもぜひ対応させたいと思っています。早期アクセス中、対応できなかった理由としては、1つ目にゲーム内の多くのメッセージが頻繁に微調整やアップデートされたこと、2つ目にお金がなかったことです!今は早期アクセスも終了しましたので、得られた収入の一部を使って今後数ヶ月以内に翻訳者を雇い、ローカライズしたいと思っています。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Coles氏:変わらないでください。私のお気に入りのゲーム体験の多くは日本を発祥とするものです。そして皆さんがこれらの素晴らしくユニークなゲーム産業をサポートしてこなかったら、これらのゲームが海を渡ることはなかったでしょうし、私の人生を様々な方法で豊かなものにすることもなかったでしょう。
――ありがとうございました。
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