気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、ansdor開発、PC向けに5月22日にリリースされたSNES風レーシングゲーム『Slipstream』開発者へのミニインタビューをお届けします。
今作はSNES/スーファミ時代を彷彿とさせるレーシングゲーム。『アウトラン』さながらのビジュアルとメカニクスが特徴で、VaporwaveなBGMと迫力のある演出でレースを鮮やかに彩ります。対象OSはWindows/Mac/Linux。日本語は現段階でサポートしていません。
――まずは自己紹介をお願いします。
Sandro Luiz de Paula氏(以下、ansdor):私はSandro Luiz de Paula、ansdorという名義で活動しています。29歳で、ブラジル在住のプログラマー/アーティストをやってます。Webサイトはこちらです。
――本作はいつどのようにして開発が始まったのでしょうか?
ansdor:開発が始まったのは2014年のことです。今作は古い2Dレースゲームの仕上がりへの好奇心から生まれました。そういった作品がどのようにSNESのような2D用プラットフォームで、3D的な奥深さの魔術を生み出すことができたのか、とても気になっていました。そうして研究し始めて、独自のpseudo3Dエンジンを開発しようと決心しました。当初は小規模なモバイルゲームのつもりでしたが、時が経つにつれて完全なPC向けタイトルになるまでプロジェクトが巨大化していきました。
――本作の特徴を教えてください。
ansdor:ゲームプレイ面においては、「ドリフト」と「スリップストリーム」という2つの要素に基づいたレーシングゲームと言えます。この要素こそ、今作のゲーム性を他のレーシングゲームと大きく異なるものと思います。まったく知られていませんが、2018年のpseudo3Dゲームもそのような感じです。グラフィックス/音楽面においては、VaporwaveやSynthwaveの影響が大きく、個人的にはユニークなものになったと感じています。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
ansdor:もちろんありますよ!最も大きな影響を受けたのは『アウトラン』と続編の『アウトランナーズ』です。『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のようなゲーム性もありますし、トラックの半分以上が『ソニック』にちなんだものです。本当に『ソニック』とセガが大好きなんですよ。
――本作の日本語対応予定はありますか?
そうしたいと思ってはいますが、今のところ計画はありません。もし今作のローカライズを行うとしたら、日本語サポートは最優先になるでしょう。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
ansdor:『Slipstream』を開発する中で抱いた最も大きな疑問のひとつは、「日本のゲーマーにとってどう感じてもらえるか」でした。『Slipstream』のインスピレーションの源はすべて日本のゲーム、特にセガの作品で、皆さんがそれらを好んでいるかどうか知りたいです。私はセガの超大ファンなのですが、彼らはリアル志向かつ完璧な“洋ゲー”よりもはるかにカラフルでスタイリッシュで陽気なゲームを作ってきたと思います。『Slipstream』では私が子どもの頃に遊んだ日本産ゲームのスタイル、カラー、魔術的なポイントをできる限りエミュレートしています。日本のWebメディアからインタビューを受け、一部の読者が私のゲームを気に入ってくれているということは、個人的に本当に大きな名誉です。皆さまが、日本の素晴らしいクリエイティブ産業へのちょっとしたトリビュートを楽しんでくれることを期待しています!
――ありがとうございました。
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