気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、2x2 GamesとCroteam開発、PC向けに11月13日リリースされたWW2ターン制ストラテジー『Unity of Command II』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、第二次世界大戦中の連合軍を指揮し勝利を目指すターンベースストラテジー。戦闘だけでなく、後方支援も重視されているのが本シリーズの特徴です。また、ストラテジーゲームではお馴染みの「戦場の霧(Fog of War)」が新たに導入され、戦況を把握するために偵察部隊を展開したり、敵兵を捕らえたりする必要があります。Modにて日本語にも対応済み(詳しくは本文をご覧ください)。
『Unity of Command II』は3,090円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Tomislav Uzelac氏(以下Uzelac氏)Tomislav Uzelacです(英語Wikipedia)。おそらく世界初の商用MP3プレイヤーであるAMP MP3 Playback Engineへ貢献したことでも知られているかもしれませんが、あれはもう20年も前のことになります。あの後、私は2x2 Gamesを設立して、自身初の商用ゲームである『Unity of Command』の開発を行いました。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Uzelac氏本作の開発は、前作のリリースからおよそ3年後となる、2016年に始まりました。前作はプレイヤーの皆さんと批評家の皆さんからとてもいい評価をいただきましたので、本編リリース後、2つのDLCを一年に一本のペースでリリースしました。私たちはいただいた評価にとても満足しましたので、新たにより楽しく、より奥深い続編を作ろうと思うのは自然なことでした。
――本作の特徴を教えてください。
Uzelac氏本作は前作をベースにしたゲームです。私たちは「手軽に遊べる戦争ゲーム」という前作の雰囲気を受け継ぎながらも、新たな挑戦と第二次世界大戦というテーマに新しい方向で入り込めるような体験を提供しようと思いました。こうして、新たな要素が導入されたのです。
例えば補給システムは、プレイヤーにとって2つの意味でより挑戦的になっています。一つ目は、シチュエーションです。これはつまり、各シナリオにおいて、一風変わった補給活動への挑戦があり、プレイヤーはユニークな問題に立ち向かわなければいけません。シチリアの状況はマーケット・ガーデン作戦やノルマンディー上陸作戦とは異なりますので、「戦って目標地点に進む」という一般的な戦術とは異なる新たな戦術が必要になります。2つ目は、戦術です。補給ラインを保ちながら敵と戦い、敵の補給ラインを邪魔する必要があります。
他に面白い新要素として、プレイヤーがHQを管理することができるというものがあります。HQの能力により、ユニットに特殊攻撃をさせたり、シチュエーションに合わせて一度きりの特殊能力を発動することもできます。
戦争ゲームというのは描かれる戦いの正当性について苦しむことが多いですが、本作ではその点上手く描けているように思っています。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Uzelac氏前作は他の開発会社であるSubset Gamesによる『FTL: Faster Than Light』や『Into the Breach』から明らかな影響を受けたものでした。『Decisive Battles』シリーズといった戦争ゲーム(特に『Decisive Battles of WWII: Korsun Pocket』)も参考にしていますし、時には戦争ボードゲームからの影響もあります(個人的にはDecision Gamesの「Totaler Krieg」がお気に入りです)。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Uzelac氏西洋の第二次世界大戦ゲームに興味がおありでしたら、本作はその入門に最適だと思います!日本語は素晴らしいModで対応していますし、コミュニティによる素晴らしい日本語ガイドもあります。それだけでなく、簡単にプレイを始められるようにチュートリアルやわかりやすいUIなど、様々な要素を追加しています(でもマスターするのは難しいですよ)。皆さんにプレイしていただくのをお待ちしております!
――ありがとうございました。
◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に200を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
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