気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Draw Me A Pixel開発、PC/Mac向けに8月7日リリースされたポイント&クリックパズルアドベンチャー『There Is No Game : Wrong Dimension』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、ポイント&クリックで「ゲーム」を破壊していくパズルアドベンチャー。パズルを解くには、普通に考えただけではわからないような、突拍子のないような発想が求められます。記事執筆時点では日本語未対応。前作は無料で配信されています。
『There Is No Game : Wrong Dimension』は、1,320円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Pascal Cammisotto氏(以下Cammisotto氏)こんにちは。フランスのインディースタジオDraw Me A Pixelの代表、Pascal Cammisottoです。ゲームジャムで作ったタイトルである『There Is No Game』と本作のディレクターを担当しています。1995年からゲーム業界で仕事をしており、インフォグラム社の『Time Gate: Knight's Chase』と言うゲームでは音楽を担当しました。当時は19歳でした。それからいくつかの会社で経験を積みましたが、主にゲームデザインとシネマティックディレクションを担当してきました。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Cammisotto氏本作のアイデアは、私が2015年のゲームジャムにおいて「Deception(だますこと、欺くこと)」と言うテーマで受賞したものが発端です。ゲームなんてものはないんだと私たちに思って欲しいゲームの物語でした。するとこの10分ほどのゲームが人気を博し、世界中の大物YouTuberの方々の目に止まったのです。私はこの小さなタネをもっと大きなものにできるのではないかと思い、このコンセプトを中心とし、一本のゲームになるような新しいストーリーを書き始めたのです。
――本作の特徴を教えてください。
Cammisotto氏本作を一番特徴的なものとしているのは、「驚き」と「予想外な出来事」でしょう。ゲームはプレイヤーを(本当に)人質にとります。そしてゲームにも次に何が起こるのか予想できないのです。遊ぶ時はぜひ、本作のストーリーのようにあえて予想外のことをし、ゲームの気持ちを弄んでやってください。そしてこのジョークのようなゲーム(じゃないもの)に隠されたラブストーリーを見つけてみてください。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Cammisotto氏ゲームジャム中は『The Stanley Parable』から影響を受けました。ナレーターがプレイヤーに話しかけるのですが、プレイヤーのアクションによって話す内容が変わるのです。あと、私はイギリスのユーモアが大好きで、本作ではゲーム自体がプレイヤーに話しかけてきます。他にも多くのポップカルチャーからの影響を見つけられますよ。
――本作の日本語対応予定はありますか?
Cammisotto氏現時点で予定はありませんが、もしコミュニティから強い要望があれば、もちろん検討いたします!
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Cammisotto氏正直言って、ありませんでした。チームメンバーはフランスの至る所に散らばっていますし、開発当初から私たちは皆リモートで作業を行なっていました。そのため、外出禁止になっても私たちにとっては何も変わらなかったのです。しかしパンデミック中、私一人でいくつかのシーンの撮影をせねばなりませんでした(これ以上のネタバレは伏せますが)。この撮影中、あのウイルスのせいでひどく体調を崩してしまったのですが、なんとかなりました!
――本作の配信や収益化はしても大丈夫でしょうか?
Cammisotto氏ストーリーが肝となる一本道のゲームの配信というのが問題を孕んでいるのは事実です。一度配信などで見てしまえば、購入しなくてもよくなってしまいます。すでにストーリーもパズルもわかってしまっているのですから。しかし同時に、本作について多くの人に知ってもらいたいとも思っています。ですので、配信も収益化もしていただいて大丈夫です。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Cammisotto氏私たちのチームは皆日本が大好きです。マンガ、アニメ、ゲームを通して、日本という国は私たちにとてつもない文化的衝撃を与えてくれました。本作においても、その影響を感じていただけることでしょう。
――ありがとうございました。
◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に300を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
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