Game*Sparkレビュー:『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』―カジュアル目線でも楽しい試行錯誤と、魅力溢れるキャラ物語にやっぱり脳を焼かれた。 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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Game*Sparkレビュー:『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』―カジュアル目線でも楽しい試行錯誤と、魅力溢れるキャラ物語にやっぱり脳を焼かれた。

Game*Spark『AC6』レビュー最終章。本記事ではラスティ様に強火で脳を焼き尽くされた621がお送りします。

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注意

本記事にはゲームのネタバレとなる内容が含まれます。

2023年8月25日にリリースされた、フロム・ソフトウェアが手掛ける新作メカアクション『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(アーマード・コア6)』。発表当時はキョトンとする人々と、驚いて絶句する人々、そしてひっくり返って痙攣していたシリーズファン(筆者のこと)という混沌ぶりが散見されました。

しかしその後、発売に向けて日に日に熱を帯びていく情報発信からもわかるように、各地で行われた店頭体験会などの各種イベントは大盛況で、先行プレイでイレギュラーとして名をあげる(?)プレイヤーも現れるほどでした。


なかには『アーマード・コアV』から10年近く新作を待ちわびたファンもいる本シリーズ。歴史の長いタイトルというのはどうしても様々なお約束に縛られ、ご新規さんから敬遠されがちです。しかし筆者は、本作が『アーマード・コア』をこよなく愛するプレイヤーだけでなく、初めてシリーズに触れる層に対しても、丁寧で細やかな心遣いが行き届いた作りとなっていると感じました。

まあそんな親切な心遣いがたまに鬼みたいに強いボスという形で顕現して殴りつけてきますが、それも本作のコアバリューのひとつである「試行錯誤」によって、きちんと対処できるようになっているのです。個人的には、ここらへんのレベルデザインによる巧みなゲーム体験の誘導に舌を巻きましたね。

Game*Sparkでは本作についてレビュー記事をVI本掲載するという企画が進行中。すでにいくつかの記事は公開されており……って、多いよ!ヴェスパー部隊か何かか!編集部のコーラル汚染が心配ですがともあれ、早速やってまいりましょう。

はじめに

今回のレビューを進めるにあたり、最初に断っておきたいのは、オンライン対人戦よりオフラインに軸足を置きつつ、ある程度のシリーズ経験者によるカジュアル寄りの目線であるということ。筆者は過去に、『アーマード・コア ラストレイヴン』、『アーマード・コア フォーアンサー』、『アーマード・コア フォーミュラフロント』、『アーマード・コアV』を遊んできました。特に『ACFF』の爽やかなOPが大好きすぎていつも脳を焼き尽くされています。焼かれてばかりだな!

しかし当時は、高難度ゲームを試行錯誤しながら攻略するというのがあまり得意ではなく、パーツの性能値を吟味して選りすぐりのアセンを極める……というよりかは、各ミッションをクリアすれば何でも良いというスタンスでした。『メダロット』でいうところのとりあえず“がむしゃらハンマー”でゴリ押し、と言いましょうか。

ちなみにフロム・ソフトウェアの直近(?)タイトルであれば『Bloodborne』『SEKIRO』『エルデンリング』をプレイ済み。いずれも高難度、後者2つについてはヒィヒィ言いながらやっと修羅になったり狂い火になったりしていました。

そんな中で何故か獣狩りだけは妙に良く馴染んでサクサクと何周も遊び、今日も肥大した脳に瞳を宿した狩人が導きのノコギリ鉈を引き摺りながらヤーナムと聖杯ダンジョンを彷徨っていたり。教会にいる美しい娘を見よ(啓蒙99)。

話を戻しまして……筆者のプレイ遍歴はまあこんな感じなので、今回『アーマード・コア6』を遊ぶにあたり、発表と同時にPS5もわざわざ購入するくらい楽しみにしてはいたものの、「試行錯誤による攻略」という本作のコアバリューをどこまで満喫できるのか正直不安な部分もありました。

しかし蓋を開けてみれば、まさにその試行錯誤を心から楽しんでいる自分がいたのです。3周プレイしてミッションは全て制覇。ストーリー展開も合わさってもうコーラルに酔いしれていたと言っても過言ではありません。

武器装備についてはまだまだ埋めていく必要がありますが、とりあえず困った時は軽戦車に乗ってショットガンとグレネードをばらまくのだ(瞳孔が開ききった表情)

レベルデザインの妙

試行錯誤を楽しんだと書きましたが、なぜこれが成立するのだろうと考えてみると、それはレベルデザインと誘導が良く練られているからではないかと推測します

これは単にミッションそれ自体の難易度に限った話ではなく、その時点で使用または購入可能な武器・装備のバリエーションといった要素も絡み合うことで成立しており、個人的には最初の「惑星封鎖機構大型武装ヘリ」と、「バルテウス」戦で本作の真髄を感じました。

この頃は戦い方がよくわかっておらずとりあえず斬りかかっていました。しかも届いてない。

おいおいおいあのヘリに何度も煮え湯を飲まされたことをお前は忘れたのか……と、ざわつく声が聞こえてまいります。ヘリとの戦闘は、右も左も分からぬプレイヤー達を一列に並べて、戦いのイロハを叩き込んでくれる教導的な位置づけとなっており、そのあまりにもストロングスタイルなチュートリアルに、実際のところプレイヤー達の反応は悲喜こもごもだったと感じます。

物語の立ち上がりを見せつつプレイヤー達をゲーム世界へ馴染ませていく丁寧なフローを経てからのヘリ登場。「じゃあ今から本番です、死になさい」という具合に激闘が始まるのは楽しかった……!ただしそれは、運良く数回のリトライで「敵をスタッガー状態にすること」が攻略のキーだと気づけたからかもしれません。

事実、初見で訳もわからないまま三枚におろされた時は、ちょっとうめき声が出ました。なお先の米国イベントにおいて、目の前に立つ小倉プロデューサーによる攻略の解説を聞いていたのに完全に頭から抜け落ちていたのはここだけの話。でも握手してもらえたので幸せです(澄んだ瞳)


ともあれそこから何度かリトライを経てスタッガー状態を狙うことを意識するようになると、敵との距離感をはかったり、自分の攻撃のパターンを変えたりと、スタッガー(衝撃力)を軸に戦闘スタイルを構築し始めている自分がいました。

特にバルテウス戦は、試行錯誤による学習を少しずつ積み重ねた果てにやっと倒せたボスだったので、まるでパズルが解けたかのようなスッキリを伴った大きな満足感すら覚えましたね。そうです、これこそ「試行錯誤による攻略」体験の始まりだったのです。

それ以降もスマートクリーナーやシースパイダー、果ては戦艦などといったボス・大型敵にあたるたび、この装備はどうだ、あの武器はどうだとショップで買ってきた新しいパーツを試してああだこうだ試行錯誤するのが本当に楽しかった……!

気軽に試行錯誤ができるよう設計されています。

ところで、ショップにおけるパーツ価格が、売買に関わらず同じであるのは特に素晴らしいと思います。たいていのゲームは都合上、購入>売却で価格差が設定されるため、やりくりに頭を悩ませがちかもしれません。しかし本作は同価格が設定されているため、もう少し気軽に取捨選択ができるようになっているのです。

もちろんパーツAを購入するために、手持ちのパーツBとCを売却して足しにする……といった場面も出てきますが、そもそも価格差が無いので気に入らなければ元に戻せば良いだけ。これは売って買ってを繰り返してジリ貧になっていくのを防ぎ、全体的に見て武器・装備の選択肢自体を据え置きにするグッドデザインだと思います。

武器・装備バリエーションによる試行錯誤への誘導

武器・装備による様々なアセンブルは、「試行錯誤による攻略」体験を構成する要素として欠かせない存在です。本作のスタイルをご理解いただけましたか?いただけましたね?ありがとう、グッドスタッガー。

……こんな調子で始まったルビコン生活1日目ですが、この時点においてショップはまだ開放されておらず、我らが強化人間621は手持ちの装備とトレーニングで入手した武器のみという限定された機体構成で進みます(1周目に限る)。

そんな状態でも雑魚戦やフィールド探索などではまあなんとかなります。レッドガン部隊に搬入予定だった機体をぶっ壊して、その後G13としてそしらぬ顔で楽しい遠足に加わるなど、マッチポンプ的に色々なんとかなります。

さらに進んで、その後ショップが開放されてある程度武器・装備の選択肢が増えてから、ミッション内容をだいぶ無視した機体構成で吶喊しても、まあだいたいなんとかなりました。

この時点で筆者は、「あれ?意外と武器・装備にバリエーションが少ないような……?」と思っていたり。最低限のアセンはできるけれど、何かこう……選択肢が限定されているような窮屈さも感じていました。

しかしそれは、みんな大好きバルテウスと死闘を繰り広げるうちに、「試行錯誤の攻略」へと誘導するためのレベルデザインなのかもしれないと考えが変わりました。仮に最初から「あれもこれもなんでも好きに使えますよ」とパーツを大量に並べられても、組み合わせによるアセンの選択肢が多すぎてしまい、かえって試行錯誤の楽しさが霞んでしまうことでしょう。

こうして振り返ると試行錯誤と言いながら衝撃力に取り憑かれ始めている筆者。

筆者は、ボス攻略における試行錯誤では戦闘を通じて「攻撃力が足りないのか?」「機動力が低いのか?」と、パラメータひとつひとつを確認していきました。変数を2つ以上同時に弄ると結果がよくわからないことになっちゃいますからね……(?)。とはいえ、実際にはそれが難しい場面もあるので、ある程度は複数パラメータの同時変化を許容しつつ、攻略の糸口を探っていました。

もし序盤で使用可能なパーツ数が大量にあったら、この確認作業が割としんどいことになっていたと思うので、やはりこの限定は、あえて選択肢自体をある程度絞ることで、混乱を回避しつつコアバリューの「試行錯誤」を損なわないようにするためのデザインなのだと感じます。

この出撃時に、各部位が「たゆんっ」と揺れる細かい演出にいちいち鼻からコーラルが溢れます。

結果的に、この段階的な武器・装備のバリエーション増加というのは、個人的には良いアプローチだったのではないかなと思います。何よりストーリー展開に合わせてパーツを貰えたり、ショップに並んだりするのを見るとワクワクしますからね。

そしてパーツは、どれもこれもが我ら老若男女の心に住まうオトコノコな部分を刺激してやまないナイスデザインなものばかり。今日もフォトモードを起動して新しいパーツで組んだ自慢の機体を舐め回すかのように眺めてまいりましょう。

周回ごとに機体のテーマカラーを変えています。USER1から4までカラーデータを保存できるのもありがたいですね。

その一方で、例えばもっと色々な武器・装備を一気に試してみたいプレイヤーにとっては、序盤における選択肢の狭さは難点かもしれません。攻略方法は人によって大きく異なると思うので、ここらへんはバランスの取り方が難しいところだと思います。

さらに「ネスト」におけるオンライン対戦が絡むと、武器・装備それぞれの性能バランスに不満も出ることでしょう。一部の武器に上方修正のアップデートはありましたが、これもまたプレイヤーによっては解釈が異なる部分ですね。


あと身も蓋もないことを言ってしまえば、衝撃力に全振りした機体構成(そしてキック)であれば大概のボスはなんとかなってしまうというのも、人によっては「救済措置」と取るか、「偏ったバランス調整」と取るかで意見が分かれるかもしれません。

困った時は軽タンクに乗ろう!

とはいえ個人的な意見としては、ゲームルールを正しく使ってクリア(この場合、チートは除く)したのであれば、どんな攻略でもそれが正解というスタンスです。素手で殴りかかって勝利した?いいね!ショットガンとグレネードで無双した?いいね!火炎放射で新しいご友人に焼かれた?手向けなければ……みたいな。あんまり昔のスタンスと変わってないですねこれ。

わーい!みたいなポーズ

なお話が明後日の方向へQBしますが、贅沢な希望であるのは重々承知の上で、あえて申し上げたいのは、四脚やタンクの脚部はもう2~3種類は欲しかったところです。月光が2つも用意されているのは嬉しいありがとうございますでも可能なら両手に導きの月光ブレードを構えたかったですね(血涙を流しながらの早口)。

ストーリー演出にキャラクターの魅力が光る

きたねぇはn……ええそうですね綺麗ですよエア。

正気に戻って閑話休題。プレイヤーにゲームをプレイする動機を持たせて牽引するという意味において、本作のストーリーと演出はその役割を遺憾なく発揮していたと言えましょう。

少なくとも、普段プライベートでゲームをプレイする時はムービーなどの一部長い演出をスキップして操作パートにいきがちな筆者が、ストレスを感じずにコントローラーの手を止めて見入っていたのは確かです。

本作のストーリーおよび演出は、そのほとんどが会話で展開され、ブリーフィングや通信では紙芝居(?)、そして時折ムービーが短く挟まれます。あとはマップに散らばるデータログや、アリーナにおける相手の説明、オブジェクトの変化から伏線を感じるといった具合でしょうか。

我らがラスティ様のご尊顔(?)

それぞれの演出は短すぎず長すぎずで、ゲームプレイを邪魔しない塩梅なのが個人的に良かったのですが、こうして執筆しながら考えると、演出の格好良さもさることながら「登場キャラクターの魅力」も、筆者を本作に引き込んだ大きな要素のひとつだと感じます。

本作に登場するキャラクター達は、基本的に顔はおろか全身の様子すらわかりません(トレイラーや広告映像、ゲーム内ログ等で映ったものは除く)。しかし共にルビコンで死線を越えて過ごしていくうちに、会話を通じてうっすらと輪郭を持った彼らの人物像にすっかり魅了されている自分がいました。

我らがラスティ様の雄姿

時折優しさがにじむウォルター、ちょっぴり茶目っ気をだすエア、ボス大好きチャティ・スティック、そして我らが心の戦友ラスティ様……登場するほぼ全員のキャラクターに何かしらの親しみを持ちやすいのも、難しい描写のバランスを見事にデザインしきった賜物と言えましょう(イグアスの扱いについてはやや思うところがありつつ)。

画面の前では筆者の脳も貫かれています。

そんなキャラクター達が織り成すストーリーの展開において、空からアサルトブーストを焚いて助太刀に現れるラスティ様だったり、大迫力のボス戦で一発でキメるラスティ様だったり、為すべきことのために刃を交えるラスティ様だったり、いかんラスティ様のことしか頭にない。

ラスティ様の横に並んでバディ感を匂わせる筆者。

正直彼が登場するたびに、何度心の背景に点描トーンを背負ったかわかりません。何回「瀬戸の花嫁」における政さんを前にした満潮永澄みたいな顔になったのかもわかりません。

基本的に爆発シーンが多い筆者のフォトモードスクショ。

話と正気を戻しましてストーリー展開についてですが、静かに始まった物語がアップダウン激しい展開を見せながら終わった1周目……最後に気になる演出がありました。一部ミッションは選択式で、それによってルートが切り替わり、エンディングもまた異なるようなので、一応2周目を始めてもう少し確認してみることに。

ルート分岐に関わる選択ミッションはちゃんとアイコンが表示されるので助かります。

すると初っ端からオールマインドの台詞がちょっと変化していたり初見のミッションや展開がポツポツ出てきたりと、また違った角度で本作のストーリーが紡がれているではありませんか。1周目に出てきたあの勢力って結局一体何だったんだ?と思い出しつつ、あの残骸ってもしかして……?とか思考が繋がっていく楽しさがたまりません。

なお周回時点において、プレイヤースキルはある程度鍛えられており、さらに手持ちやショップに並ぶパーツ選択肢も多いため、道中のボス戦もそんなに苦労することがなくなっていました。これに気付いた時の「成長した実感」は非常に心地良い。まさかバルテウスすら1分切りで倒せてしまうとは……。

そんな中で2周目もあっという間に駆け抜けて、そろそろ本レビュー記事を書かないとだけど……いやでもまさかなそんな訳ないよなと3周目を始めたら、やっぱり一部展開が異なっていて「いったいどれだけボリュームあるんだこのゲーム!?」と嬉しい悲鳴を上げました。

そしてストライダーは毎度可愛そうなことになってるな……とも。エアと引き返せないところまで行こう!(強めの幻覚)

ともあれ話の大筋としては似たような流れをたどりつつも、細部で違いを見せ、それによって最終的には全く異なる結末につながる……これぞまさに、先が気になる故にゲームをどんどんプレイして進める「動機」になっており、本作のストーリーが正しく役割を果たしていたと言えましょう。

総評

ゆっくり歩みを進める後ろ姿も格好いい。

本作については上記以外にも、個人的に好きな部分がいくつもあります。探索が楽しい立体的なマップ構造はそのひとつ。

このコンテナを見つけた時の喜び。

あちこちウロウロ歩いて、怪しいとアタリをつけた場所へ近づくと隠しパーツの入ったコンテナがあった時は喜びもひとしお。ただし「グリッド086侵入」におけるあの場所は、侵入口の隠し方(?)が自然すぎて全く分からなかったですね……「ここ通れるの!?」と気付いた時の衝撃。そしてそこですっかり油断した先でMISSION FAILED。

そして戦闘がこれまたエフェクトばっしばしで爽快感に溢れており、強敵を倒した瞬間時間の流れがゆっくりとなる演出はもう最高。APをぎりぎり削り取っての勝利を掴んでその演出がかかった時は、コーラル決めすぎて頭が飛びそうになるくらいでした。

こういった演出は他にも細かいところでたくさんあります。戦闘モード起動時のちょっとしたカメラワークの演出だったり、フォトモードだったり、ギミックの楽しい武器・装備だったり、同じミッションでも選択肢が表示されたり台詞や展開が変化したり、人の話を最後まで聞かずにもっと輝くタイプの621に蹂躙されるスウィンバーン先生だったり。

ここらへんは行動次第によってミッション内容に変化があるのも楽しいギミックでした。

カジュアル寄りのゲーマーである筆者でも、心ゆくまで楽しめた試行錯誤の攻略、そしてツボを突く演出の数々……本作は久しぶりに隅々まで夢中にさせてくれるゲーム体験でした。まだまだ実績解除の旅の途中ですが、この記事を書いたあとも引き続き、エアとオールマインドを両手に花としてルビコンを焼き払ってまいりましょう(深刻なコーラル汚染)。

総評:8点(10点満点)
良い点
・試行錯誤による攻略の楽しさを追求したレベルデザイン
・魅力的なキャラクターが織り成す牽引力のあるストーリー展開
・衝撃力の存在が、ボス戦に行き詰まった際の「救済措置」になっている

悪い点
・衝撃力が便利すぎて、試行錯誤の幅が狭くなりがち(個人的には良いと思いつつ)
・一部、武器・装備のバリエーションにもう一声欲しい

なお、Game*Sparkの『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』レビューでは、普段の星3つではなく10点満点での評価を行っています。他の「VI」本のレビューとあわせて、最終的な点数とレビューまとめ記事を掲載予定なので、そちらもご期待ください。

UPDATE(2023/09/19 6:24): 「オールマインド」の誤表記を修正しました。コメントでのご報告、ありがとうございました。


《麦秋》

お空の人。 麦秋

仕事であちこち渡り歩いては飛んでます。自分が提供するものが誰かのお役に立てれば幸い。編集部および他ライターさん達のこくまろなキャラに並べるよう頑張ります。

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